海外難民視力支援ミッション

明日を見すえる力になりたい。

タイ、ネパール、アルメニア、アゼルバイジャン…。
世界の難民・国内避難民に、メガネの寄贈を続けています。

1939年(昭和14)年、樺太で富士メガネを創業した金井武雄は、「モノが見えることで、人生を助けることもできる」、と口癖のように言っていました。戦中戦後の激動を乗り越えて創業45周年の年である1983年、私たちは、「これまでにさまざまな方から受けたご恩をお返ししたい」という強い思いから、世界各地の難民や国内避難民の方々にメガネを贈る活動を始めました。

現地の情報も不十分のままの手探りのスタートで、多くの困難に直面しましたが、メガネを手にした方々のはじけるような笑顔が活動を継続するエネルギーとなりました。

見える喜びは世界共通です。「見える!」「ありがとう!」、心の底から発せられるそんな言葉を受けるたびに、私たちは、これからもお客様への感謝の一端を、この視力支援ミッションに向けていく意義と責任を実感しています。

おかげさまで合計181,545組の新しいメガネを寄贈することができました。

  実施年 訪問地 眼鏡寄贈組数
第1回 1983年9月 タイ 1,202組
第2回 1984年11月 タイ 1,059組
第3回 1985年11月 タイ 3,327組
第4回 1986年11月 タイ 2,500組
第5回 1987年11月 タイ 5,000組
第6回 1988年11月 タイ 5,508組
第7回 1989年11月 タイ 3,421組
第8回 1990年9月~10月 タイ 4,044組
第9回 1991年10月~11月 タイ 5,032組
第10回 1992年10月~11月 タイ 5,034組
第11回 1993年10月~11月 タイ 5,012組
第12回 1994年10月~11月 ネパール 2,537組
第13回 1995年10月~11月 ネパール 4,032組
第14回 1996年10月~11月 ネパール 4,040組
第15回 1997年9月 アルメニア 3,184組
第16回 1997年11月 ネパール 3,041組
1998年8月 アルメニア 1,000組
第17回 1998年11月 ネパール 3,036組
1999年8月 アルメニア 1,000組
第18回 1999年11月 ネパール 4,039組
2000年9月 アルメニア 3,000組
第19回 2000年11月 ネパール 4,027組
2001年8月 アルメニア 2,000組
2001年10月 ネパール 3,000組
2002年8月 アルメニア 2,000組
2002年10月 ネパール 3,500組
第20回 2003年7月 アルメニア 3,033組
第21回 2003年11月 ネパール 3,579組
第22回 2004年5月~6月 アルメニア 3,025組
2004年11月 ネパール 2,300組
第23回 2005年5月~6月 アゼルバイジャン 4,069組
2005年11月 ネパール 500組
第24回 2006年5月 アゼルバイジャン 4,128組
2006年6月 タンザニア 3,000組
第25回 2007年6月 アゼルバイジャン 4,117組
2007年9月 ネパール 300組
第26回 2008年6月 アゼルバイジャン 3,574組
第27回 2009年5月 アゼルバイジャン 3,626組
第28回 2010年5月 アゼルバイジャン 3,590組
第29回 2011年5月~6月 アゼルバイジャン 3,601組
第30回 2012年7月 アゼルバイジャン 4,601組
2012年9月 ケニア 2,000組
第31回 2013年7月 アゼルバイジャン 3,602組
第32回 2014年4月 アゼルバイジャン 4,144組
第33回 2015年5月 アゼルバイジャン 4,123組
第34回 2016年5月~6月 アゼルバイジャン 4,145組
2016年8月 イラク 1,000組
2017年2月 バングラデシュ 1,000組
第35回 2017年7月 アゼルバイジャン 4,132組
2017年8月 イラク 1,500組
第36回 2018年6月~7月 アゼルバイジャン 4,196組
2018年7月 イラク 1,500組
第37回 2019年5月 アゼルバイジャン 3,486組
2019年8月 イラク 1,500組
2019年11月 バングラデシュ 1,500組
- 2020年9月 アゼルバイジャン 1,500組
- 2021年3月 アゼルバイジャン 3,500組
- 2022年4月 アゼルバイジャン 3,500組
第38回 2023年5月 アゼルバイジャン 3,599組

タイ・インドシナ難民キャンプ

ここから始まった、富士メガネの視力支援ミッション

インドシナ紛争では1970年代後半から多くの難民が生まれ、タイの難民キャンプに保護されました。現地の窮状を知った私たちは1983年に、キャンプにメガネを持ち込み、視力の検査とケアに取り組みました。不慣れな環境の中、500人ほどにメガネを贈ると、驚くほどの感謝の言葉を受けることができたのです。この体験が、「見える喜びは世界共通であること」を、私たちにあらためて考えさせることになりました。


自分の仕事の意味が再確認できた体験でした。

グランドホテル前店 店長 外崎 勝彦
1992年/タイ 訪問

「よく見える!」難民の方々のそんな声を直接聞くことができ、深い感動をおぼえました。メガネを通してお客様のお役に立つことの原点が再確認でき、メガネのプロとしての責任と喜びがいっそう自覚できた体験でした。

ネパール・ブータン難民キャンプ

難民の視力改善に生かされる富士メガネの理念と技術

1994年、迫害によってブータンから逃れたネパール系の難民を支援するために、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請で始まりました。病気や栄養失調による視力障害も多く、当初から高度な対応が求められました。いったん帰国してから製作して送る特殊なメガネも少なくありません。2003年春には当社の援助による眼科クリニックも完成。現地の住民や難民の視力ケアを担っています。


関係者全員の協力で成り立っていることを実感しました。

青森イトーヨーカドー店 店長 千木良 一
2003年/ネパール 訪問

不便な環境にありながらも、生き生きとキャンプで暮らす人々の強いエネルギーを感じ、気が引き締まる思いで活動に参加しました。ミッションは大勢の方々のお蔭でスムーズに進行しました。あらためて、関係者全員の協力で成り立っている活動であることを実感しました。

アルメニア・アゼルバイジャン系難民・国内避難民

現地のメディアによる大きな反響もやりがいに

ソ連紛争後の混乱の中でアゼルバイジャンからアルメニアに入った難民に対して、1997年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請を受けてスタート。一人ひとりの視力を検査して最適なメガネを手渡す様子は、現地のメディアにも大きく取り上げられました。反響の大きさに驚くと共に、メガネによる支援の意義とそこに関わる喜びを多くの社員が実感しています。


世界の広さと深さを知る体験。

狸小路本店 店長 金井 宏将O.D.
2004年/アルメニア
2007年~2023年/アゼルバイジャン 訪問

現地では、日本では考えられないような強度の遠視や近視が放置された状態で、難民の方々が置かれる厳しい現実を実感しました。そうした人々の力になることは、自分の世界観や人生観を問い直すことにもつながる貴重な体験でした。

アゼルバイジャン周辺国からの難民・国内避難民

「ナンセン難民賞」の賞金で地下水給水施設が完成

1990年代初頭から続くアゼルバイジャンとアルメニアとの紛争によって故郷を追われた国内避難民や近隣国からの難民のために、2005年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請で始まりました。2007年にはUNHCR「ナンセン難民賞」の賞金を使用して、国内避難民居住区に地下水の給水施設を完成させることができました。完成セレモニーでは、現地のたくさんの人々と当社スタッフが、ともに歓声をあげながら喜びを分かち合いました。


ミッションでは一生忘れられない感動を味わいました。

東京大手町ビル店 岡本 真実
2015年/アゼルバイジャン訪問

現地では、日本では当然メガネを掛けるであろう方がメガネを掛けていない等のケースの多さに驚き、メガネを掛けた瞬間のこぼれる笑顔と「ヤクシー(見える)」という言葉もいただき「見える喜び」に貢献できたことを本当に嬉しく思います。

訪問した社員数延べ201名

当社の社員がボランティアで現地に赴き、UNHCR職員やNGOスタッフ、通訳の力をお借りしながらメガネを一人ひとりに手渡します。また日本においてもお取引先様の幅広いご協力をいただいています。メガネの製作、度数ごとの仕分けや梱包、発送などに関わる社員ボランティアも欠かせません。このミッションは、多くの人が心を合わせることで成り立っています。

※各ページ文章内の肩書きおよび役職名は、記事内容当時のものです。