中国残留日本人孤児への眼鏡寄贈

第27回中国残留日本人孤児眼鏡寄贈プロジェクト

1995年 中国残留邦人問題への
理解を深める中央大会において、
井出厚生大臣より授与された感謝状

厚生省援護局(当時)の要請により、1987年より毎年、肉親調査のために日本を訪れる中国残留日本人孤児のために日本滞在中の宿舎に出向いて視力の確認をし、一人ひとりに最適の眼鏡を寄贈しています。祖国からの思いがけないプレゼントに、毎回感謝の言葉がたくさん寄せられています。

※2012年末累計実績回数:31回
検査総数:869名
寄贈眼鏡数:931組

メガネのプレゼントに
喜ぶ中国残留日本人孤児

一人一人の視力を確認

出来上がったメガネを
一人一人に手渡す

感謝の手紙が多数寄せられました。

富士メガネ 金井昭雄社長様

こんにちは!私達第26次訪問肉親調査団は祖国に帰りましてから祖国の各界の方々の熱烈歓迎を受けました。特にあなた様及び貴社の皆様には大変ご多忙中にも会場に来てくださって一人一人の孤児の視力を確認し私達のためにメガネを作ってくださったことに大変感激しております。
こうした立派な眼鏡を私達一人一人に下さったのはあなた方の深いご厚情によるものと心からの感謝を申し上げます。

私はこの眼鏡をかけますと眼の前がすぐに大変に明るく本を読んだり、新聞を見るのに特別にはっきりしております。私の今までの持っておりました眼鏡とは比べものになりません。それだけに私はひどく感激し又特別にあなた方のお取計いに感謝致します。どのように私の気持ちを表すべきか、ここに私の感謝の気持ちを手紙に書きましたので、どうかあなた様及び貴社の皆様に一人の孤児の感謝の気持をお受け取りになってください。ありがとうございました。

劉 桂書

ある中国残留日本人孤児からの言葉。

祖国は我々を見捨てなかった、メガネは日本でもらったおみやげの中で一番嬉しかった。

新聞でも活動が紹介されました。

読売新聞
1997年10月15日

北海道新聞
2004年2月26日

朝日新聞
1999年11月14日

第27回 中国残留日本人孤児眼鏡寄贈プロジェクト

2007年11月15日(木)、22日(木)
取締役関東地区営業本部長兼大手町ビル店店長 佐藤 勉

去る11月15日(木)、爽やかな秋晴れとなったこの日、今年も「中国残留日本人孤児眼鏡寄贈プロジェクト」を実施しました。1987年からスタートしたこのプロジェクトも、今年で丁度20年目、第27回目となりました。例年、東京・代々木国立オリンピック記念青少年センターを主会場として行われておりましたが、今年は東京霞ヶ関の「厚生労働省社会・援護局」会議室において実施されました。

今回のプロジェクトに参加したメンバーは、プロジェクトリーダーの石滝陽一郎副店長(大手町ビル店)、毎回スムーズな推進役を図ってくれる川多裕二マネージャー(大手町ビル店)、重田伸彰マネージャー(流山店)、龍野大介さん(上永谷店)、齋藤健さん(四街道店)、半田健さん(武蔵境店)、私を含めて七名、そして毎年検査機器・商品関連のご提供を戴いている三共社様、トプコン様、通訳の金様ご夫妻のご協力を得て実施されました。

選定・チェック・フィッティングメンバー

厚生労働省

川多マネージャーによる
チェック

石滝副店長によるチェック

来日された孤児の皆さん

祖国への思いを募らせて来日

今年度、新たに中国残留孤児と認定されたのは4人で、親族の方4人の付き添いと共に11月12日(月)に来日されました。戦後六十数年という長い年月が経過している為、手掛かりとなる物は極めて少なく、記憶も薄れ、肉親探しは益々困難な状況にありますが、僅かな望みを抱きながら自分のルーツを確認したい気持ちで来日されました。

選定する重田マネージャー

選定する龍野さん

受付

選定する齋藤さん

予期せぬ真心からのプレゼントに感激しきり

作業に先立ち、(財)中国残留日本人孤児援護基金 常務理事 中沢事務局長より当社の紹介があり、続いて私からこのプロジェクトの経緯と概要を紹介し、作業内容を説明した後、手際良く作業が開始されました。孤児の皆さんは通訳の方の説明に真剣な眼差しで耳を傾け、ハイテク機器での視力検査に目を見張り、一人ひとりへのきめ細かい対応にビックリしながら、何度も「見える!見える!」と頷き、「謝々・謝々」と満面の笑顔で力強く手を握ってくれるその姿は、毎回の活動を通して得られる新たな感動です。

「中国では、この様な検査はせず自分で好きなメガネを選んできて購入するだけ。こんなに詳しい検査はした事が無かったのでただただビックリし、感心した。」「こんなにも細かな検査をしていただき、メガネは人間の体の一部だと感じた」「祖国の温かい心、ご親切に感謝すると共に、今日はメガネを通じて心の交流も図れた」「貴重なメガネなので何時もポケットの中に入れて、大切にしまって置きたいくらい。何時までも大事にし、今日のこの日をこれからの人生の良い思い出にしたい。謝々・謝々!」。皆さん期待以上の検査と、選定、調整に大変満足され、感謝されました。

寄贈された眼鏡の内訳は、孤児の方は近用補正眼鏡2組、遠用補正眼鏡2組、付き添いの方、近用補正眼鏡2組、遠用補正眼鏡2組の合計8組となり、1987年から今日までの検査総数857名、眼鏡寄贈数はトータルで917組となります。

検査する石滝副店長

選定する半田さん

離日を前に、眼鏡を納品

いよいよ離日を明日に控えた11月22日(木)、東京・品川グランドプリンスホテル新高輪において眼鏡の贈呈が行われました。

毎年、金井会長が孤児の方一人ひとりに心を込め手渡しでプレゼントを行っておりましたが、北大での講義ご担当で予定が付かず、急遽私が代役を仰せつかることになり、石滝陽一郎副店長・川多裕二マネージャーと共に納品させていただきました。

待ち焦がれていたかのように早速真新しいメガネをかけ、新聞の文字を見たり、鏡に映った自分の顔をのぞいては満足そうに頷いたり、お互い顔を見比べて「よく似合う!よく見える!」と心から喜んでいただける皆様の姿を見るにつけ、この活動の意義の重さが感じられる瞬間でもあります。

海外難民眼鏡寄贈活動も二十数年継続され、そしてこのプロジェクトも今年で20年。永年の積み重ねは、今までどんなに多くの孤児の皆様方に希望と祖国の温かみを感じていただけたものか、今後とも続けられる限りこの活動を通じ、希望と元気をプレゼントし続けていきたいと思います。当社の心を込めたメガネで、幸せを取り戻していただきたいと願っております。

プロジェクト参加メンバーと孤児の皆さん

通訳を介して歓談する佐藤部長

選定する齋藤さん

チェックする川多マネージャー

フィッティングする重田マネージャー

※文章内のスタッフ名および役職名は、記事内容当時のものです。